自殺をどう食い止めるか

平成19年4月放送分

今回のご出演は琉球大学医学部精神科助手の田中治先生とクリニックおもろまちの安部康之先生です。
番組ではまず平成19年3月21日に新都心講演で開催された那覇市医師会健康ウォーキング大会の模様をお伝えしました。
沖縄県は毎年350人以上の方が自殺し、特に20代後半と40代男性の自殺者の割合が多いのが特徴です。
その背景として20代後半では高い失業率による若者の将来に対する不安、40代でもやはり失業、リストラなどによる経済的不安があげられています。
また沖縄の特徴としてヤミ金業者が多く、安易に借金を背負い、多重債務者になる率が全国に比較してずば抜けて多い実態があるとの報告です。
慢性的な経済的閉塞感から、アルコールやギャンブル依存へ走り、ドメスティックバイオレンス(DV)、離婚、そして自殺へ至る何ともやりきれない自己破壊のコースが見えて参りました。
また安部先生には思春期の自殺に関して、危機の水面下化を挙げて頂きました。
現代の若者はインターネットや携帯電話の発達により、我々大人には想像も出来ないほどコミュニケーションがバーチャル化しており、大人が全く知らない水面下で問題が深刻化している事があるそうです。
携帯メールのやり取りでは受信後数分以内に返事を送らないと友達として義理を欠く行為なのだそうです。
表面上は大人に合わせることが上手で、しかし危機に対する耐性が低いのも特徴で、突発的に予想も出来ない行動に走ってしまいます。
若者の自殺に関しては心理カウンセラーの永山盛信先生に取材し、心理的低体温にある子供たちをしっかり温めてやる努力の大切さを訴えて頂きました。
沖縄県の自殺は高齢女性に少ないのも特徴です。沖縄のおばぁに学ぶべきところがありそうです。
今月のワンポイントアドバイスは那覇看護専門学校の与那覇笑美子先生から、看護師になるためにはと題し、看護師になるための様々なコースに関して解説して頂きました。

 

写真(1):中央が田中先生、手前が安部先生
写真(2):新都心公園で開催された健康ウォーキング大会の模様
写真(3):NPO沖縄心理臨床研究センター理事 心理カウンセラーの永山盛信先生
写真(4):那覇看護専門学校の与那覇笑美子先生

(担当理事 玉井 修)
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